カートコバーンが生み出した10のファッショントレンド
「もしあなたが性差別主義者、人種差別主義者、あるいは基本的に嫌な奴なら、このCDを買わないでください。あなたが私を好きでも関係ない、私はあなたが嫌いなのだ。」
Kurt Cobain(カートコバーン)が最後のアルバムにて残した言葉だ。
彼は女性やLBGTQに関する問題が議論に上がるずっと前から、反体制的な態度を貫いた。
そんなカートコバーンは思想や音楽だけでなく、ファッションにおいても多大な影響を与え、グランジと呼ばれるそのファッションスタイルは現在まで形を変え残っている。
そこで今回は、カートコバーンのキャリアの中で最もアイコニックな私服・髪型をチェックしながら、着古したようなカーディガンなど、彼の生み出した10のファッショントレンドを振り返ろう。
1 カーディガン
着古されたようなオーバーサイズのカーディガンにシンプルなTシャツを合わせた、淡々としたこのスタイルはカートコバーンのグランジファッションを象徴するルック。
そして、GUCCIがこのおじいちゃんが着ていそうなカーディガンをオタク風にアレンジしたり、YEEZYがオーバーサイズのカーディガンを新作で発表したりと、カートコバーンが作り上げたこのトレンドは様々なシーンで応用されている。
2 ダメージジーンズ
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カートコバーンは、擦り切れた穴だらけのダメージジーンズを好んで履いていた。
そしてこのズタズタに引き裂かれたジーンズは、「飾らない自然体の自分」を投影するグランジファッションの大きな特徴の1つ。
カートコバーンはバギージーンズを履くことが多かったが、現在ではAMIRIなどのブランドがスリムなシルエットのジーンズでこのトレンドを継承している。
3 破れたニット
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カートコバーンが着ていた、つぎはぎだらけの破れたニットウェアがこれほどの影響力を持つことを誰が想像しただろう。
カートコバーンにインスピレーションを受けたかどうかは不明だが、ラフシモンズやメゾンマルジェラといったブランドが裾や肩の一部が破壊されたセーターをリリースしている。
4 ネルシャツ
グランジファッションの定番アイテムの1つがフランネルシャツであり、トレンドに左右されないワードローブとして確かな地位を築いた。
最近では、エイサップロッキーやトラヴィススコットといったラッパーたちがフランネルシャツを自身のスタイルに落とし込み、ストリートにて着こなしている。
ネルシャツはファッションオタクが楽しむアイテムになっているのだ。
5 バンドTシャツ
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最近は有名なバンドのTシャツを着るのが流行っているが、カートコバーンは逆の選択をした。
最もよく知られているのが、1992年のMTV Video Music Awardsでのカートコバーンの私服。
当時まだ無名であったダニエル・ジョンストンのTシャツを着用したことで、このアートワークはSupremeのイラストに採用されるほどの脚光を浴びた。
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カートコバーンのカジュアルな重ね着は彼の魅力を引き立てる。
ライトに照らされる暑いライブにおいてもカートコバーンは重厚なレイヤーを好み、ライトブルーのデニムパンツ、ネルシャツ、グラフィックTシャツといった定番アイテムで色を巧みに用いた重ね着を披露した。
7 ラウンドサングラス
ラウンドサングラスを付けたこの姿はカートコバーンを象徴するルックの1つであり、例えファンでなくてもこの写真は知っている、というほどに有名だ。
カートコバーンが付けているサングラスはクリスチャン・ロスのアイテムであり、2010年に同モデルが復刻されたり、2016年にはサンローランが同じシルエットを再現したりと、依然として根強い人気を誇る。
8 パジャマシャツ
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カートコバーンは自身の結婚式にパジャマ姿で登場した。
タキシードを着るのが面倒だったようだ。
カートコバーンのファッションへの良い意味での無頓着さを象徴するかのようなエピソードだ。
ジャスティンビーバーは最近、パジャマスタイルで街を歩くことが多いが、これはカートコバーンへのリスペクトなのだろうか。
9 自然体のヘアスタイル
カートコバーンは髪型においても自然体を追求した。
グランジファッションに合う髪型はやはり長髪であり、程よくバサついた髪と、ヴィンテージの服の雰囲気がうまく調和している。
因みに、カートコバーンは髪の毛を洗うことがあまり好きではなかったようだが、そんな彼の髪の毛6本が150万円以上で落札されている。
10 ジェンダーレスなスタイル
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冒頭にも述べたように、カートコバーンは女性問題が議題に上がるずっと前からフェミニズムを支持し、ファッションにおいてもその思想を表していた。
時には、スカートやワンピースを着て、赤いマニキュアを塗っていたカートコバーンにとってはジェンダーの概念すら野暮であったのかもしれない。
いかがでしたでしょうか。
今回は、カートコバーンの歴代のファッションスタイルを振り返りながら、その魅力を再確認しました。
グランジファッションは決して汚いものではない。
MINARI.(ミナリ)は情報の質にこだわり、記事の執筆に時間をかけて丁寧に行っています。他の記事もぜひ合わせてお楽しみ下さい。