DAIRIKU|服が物語るアメリカンカルチャーと少年期
日本のドメスティックブランドを取り上げる企画【.jp】(ドット・ジェー・ピー)。
ドメステックブランドとは日本人デザイナーが始めたブランドのことを指し、既存の西洋文化に日本的な新要素を加え、時には破壊することで新しい価値を生み出しています。
そして今回は、ミレニアル世代の若手デザイナーが生み出した話題のブランド・DAIRIKU(ダイリク)の魅力に迫ります。
【目次】
1 DAIRIKUについて
-1.1 DAIRIKUとは
-1.2 DAIRIKUの特徴
2 デザイナー・岡本大陸氏について
-2.1 無類の映画好き
-2.2 DAIRIKUが誕生するまで
3 コレクション紹介
-3.1 2018SS “VACATION”
-3.2 2018AW “HOME KIDS”
-3.3 2019AW “American Dream”
1 DAIRIKUについて
1.1 DAIRIKUとは
- 価格:★★★★☆
- 品質:★★★★★
- 独創性:★★★★☆
- 知名度:★★★☆☆
DAIRIKUとは、若手デザイナーの岡本大陸がバンタンデザイン研究所大阪校在学中に立ち上げたファッションブランドで、「ルーツやストーリーが感じられる服」をコンセプトに掲げる。
DAIRIKUは2016年に若手デザイナーの発掘を目的とした“Asia Fashion Collection”にてグランプリを受賞し、2017年にはNYファッション・ウィークにて初めてランウェイ形式でのコレクションを発表した今注目のブランドだ。
1.2 DAIRIKUの特徴
DAIRIKUはシーズン毎にモチーフにする映画を設定し、映画から得たインスピレーションや岡本氏自身の少年期の思い出を、アメリカンカジュアルでスタンダードな服に落とし込む。
そのためDAIRIKUのアイテムは、どこか懐かしさを感じさせる雰囲気をまとっている。
2 デザイナー・岡本大陸氏について
2.1 無類の映画好き
1994年に奈良で生まれた岡本少年は、バイク好きの父に連れられて映画館やレンタルビデオショップによく行っていたという。
そのため、岡本氏は映画が大好きで、毎シーズンのコレクションにも必ずモチーフにする映画を設定して取り組む。
DAIRIKUのレトロな雰囲気は、岡本氏がこれまで見てきた数々の映画のムードが大きく反映されているのだろう。
2.2 DAIRIKUが誕生するまで
岡本氏が服にのめり込んだきっかけは、高校生(16歳)の時に友人と訪れた大阪・アメリカ村にある古着屋だった。
古着屋の雰囲気が、好きなアメリカ映画のそれとリンクしたのかもしれないと本人は言う。
高校卒業後、バンタンデザイン研究所という服飾の専門学校に通い、2年生時には”DAIRIKU”というブランド名を掲げて学内でショーをしていた。
3 コレクション紹介
最後に、DAIRIKUのコレクションに影響した映画や自身のバックグラウンドをご紹介。
3.1 2018SS “VACATION”
2018年春夏のコレクションは、岡本氏の少年時代が背景にある。
彼は長期休暇のたびに母の地元である韓国に旅行(VACATION)し、祖父母と過ごした。
その時に、祖父に色んな場所へ連れ回してもらったのだという。
そんな祖父との思い出が2018SSのコレクションのテーマである。
3.2 2018AW “HOME KIDS”
このシーズンもバックグラウンドは少年時代。
近所に住んでいた沢山の友達とゲームをしたり、鬼ごっこをしたりした楽しい思い出から着想を得たのだそうだ。
3.3 2019AW “American Dream”
2019AWのコレクションは、2009年に公開された映画『NOTORIOUS B.I.G.』をモチーフにしている。
NOTORIOUS B.I.G.とはBIGGIE(ビギー)の相性で親しまれていた、2Pacと共に90年代を代表するUSのラッパー。
BIGGIEが生み出したファッショントレンドはこちら
そんなビギーの伝記映画からインスパイアされた19AWコレクションは、80-90年代のUSのHIPHOPアーティストの服装を彷彿とさせるアイテムから成る。
映画を愛するデザイナーによる映画のワンシーンのようなコレクションにこれからますます注目が集まるだろう。
MINARI.(ミナリ)は情報の質にこだわり、記事の執筆に時間をかけて丁寧に行っています。他の記事もぜひ合わせてお楽しみ下さい。