パクリ?オマージュ?世界で話題になったブートレグスニーカー9選
どこまでがオマージュ・インスパイアでありどこからがパクリなのか、を判断することはファッションにおいて大変難しく、これはスニーカーにおいても同様である。
しかし、過去に評価を受けた作品の有名なデザインの要素を取り入れ、別の新しいものを作り上げることは長年ファッション業界において用いられてきた手段の一つであり、決して悪いことではない。
そこで今回は、他の有名ブランドのデザインにインスパイアされ世界的に売れたブートレグスニーカーを9個挙げ、その誕生の歴史をご紹介しよう。
【目次】
1 SANG JORDAN1
2 BAPESTA
3 S Dot Carter
4 Ari Menthol 10
5 Consolidated BS Drunks
6 Gourmet
7 Rick Owens Dunk
8 Hender Scheme MIP-10
9 Warren Lotas
1 SANG JORDAN1
Via Pinterest
最初のブートレグスニーカーがいつ作られたのかは明らかにはなっていないが、ヘッズの間で最初に大きな話題となったのは1985年にSANG社がリリースしたこのスニーカー。
エアジョーダン1との違いは、ナイキのスウッシュの代わりに、アロースタイルのロゴが使われていることくらいだ。
このSANG社のスニーカーは間違いなくパクリだが、現在なんと40万円近いプレ値が付いている。
2 BAPESTA
Via Pinterest
A BATHING APEを設立して約10年後、NIGO氏はBAPESTAのスニーカーで金字塔を打ち立てた。
このBAPESTAのフォルムは明らかにエアフォース1を参考にしているが、当時ナイキが出していなかった色や素材を利用した点でユニークであった。
キャンディペイントのような光沢あるレザーに、バブルガムのようなパステルカラーやカモ柄を取り入れた派手でカラフルなBAPESTAのスニーカーは、当時ほとんどがツートンカラーであったエアフォースに飽き飽きしていたスニーカー愛好家たちの心を鷲掴みにした。
因みに、当時200ドルで売られていたBAPESTAの原価は2.25ドル。恐るべし。
3 S Dot Carter
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JAY-Zが2003年にリーボックとパートナーシップを組みリリースしたスニーカー・S Dot Carterは、わずか数時間で100,000足を売り上げ、スニーカー史に残る歴史的シューズとなった。
このスニーカーのルーツは、Gucciのテニス84であり、デザインからカラーまでそっくりだが、このことはJAY-Z本人も隠すことなく認めている。
彼はインタビューにて、「昔のグッチからインスピレーションを受けた。もし気に食わないなら訴えてくれ」とラップしたが、グッチがJAY-Zやリーボックを訴えることはなかった。
4 Ari Menthol 10
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2006年にアーティストのアリ・フォアマンがデザインしたスニーカーAri Menthol 10。
ナイキと、アメリカのタバコの銘柄であるニューポートを勝手にコラボさせる、という暴挙だ。
このスニーカーをリリースした後、フォアマンはナイキから販売停止命令を受け、ニューポートからも訴訟を起こされたことで5万ドルの損失を被ることとなる。
デザインは良いので、正式なコラボであればヒットスニーカーとなっていたかもしれない。
Via Pinterest
NIKE SBは元々、スケートボード業界においては人気のフットウェアブランドではなかった。
そして、スケートブランドたちは、ナイキという巨大企業が自分たちの土俵に足を踏み入れることに猛反対していた。
そのブランドの一つが、Consolidatedだ。
Consolidatedは2006年に「BS Drunks」というシューズをリリースし、スウッシュをバナナに変え、「Don’t Do It」と書かれたキャンペーンを展開した。
因みにこちらは、ナイキから訴訟されることはなかった。
6 Gourmet
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2005年に誕生したGourmetのスニーカーは、ナイキやエアジョーダンの人気シリーズを上手く模倣することで人気を獲得した。
しかし、今までのブランド同様、Gourmetもナイキに訴訟され、販売中止を余儀なくされた。
因みに、設立者の1人であるブシェミ氏は2013年に自身の名でブランドを新たに開始し、エルメスの人気バッグ・バーキンを模倣したスニーカーを販売している。
どうやら懲りないようだ。
7 Rick Owens Dunk
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2008年にデザインされ生産中止となったRick Owens Dunkは、Nike Dunkからインスパイアされたスニーカーであるものの絶賛される作品となった。
高品質の素材や、グランジと忍者が融合したようなリックオウエンス独自の美学が特徴的であり、カジュアルでありながら、部屋の中にあれば間違いなく最も高価な靴であるかのようなオーラを放つ。
ナイキからの訴訟の危機を受けて、今はスウッシュのないアッパーでデザインを一新し、名前もDunk(ダンク)からGeobasket(ジオバスケット)に変えているので気になる方は合わせてチェックして欲しい。
8 Hender Scheme MIP-10
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日本のブランドHender Scheme(エンダースキーマ)は、工業製品であるスニーカーを、職人の手作業により一から作るという面白い取り組みを行なっている。
そして中でも、エアジョーダン4のオマージュ作品は高い評価を得ている。
これまでエンダースキーマは、訴えられたことがないどころか、アディダスとは共同でスニーカーを開発している。
模倣する側とされる側が、対立しあうのではなく協力するという、理想的な関係だ。
9 Warren Lotas
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LAのストリートブランドWarren Lotas(ウォーレンロータス)は、Nike SB Dunkをサンプリングし、スウッシュにホッケーマスクを付けて販売した。
しかし、カラーリングまで全く同じであったこのスニーカーを、ナイキが見過ごすはずはなかった。
ナイキはウォーレンロータスを訴え、現在もこの争いは続いている。
平和に終わることを望みたい。
いかがでしたでしょうか。
今回は、パクりと認定され訴えられたものから、模倣したブランドとコラボするに至ったものまで、話題のブートレグスニーカーを9個ご紹介しました。
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MINARI.(ミナリ)は情報の質にこだわり、記事の執筆に時間をかけて丁寧に行っています。他の記事もぜひ合わせてお楽しみ下さい。