No, No, Yes!|日本の文化を尊重し服に落とし込むレザーブランド
日本のドメスティックブランドを取り上げる企画【.jp】(ドット・ジェー・ピー)。
ドメスティックブランドとは日本人デザイナーが始めたブランドのことを指し、既存の西洋文化に日本的な新要素を加え、時には破壊することで新しい価値を生み出しています。
そして今回は、狩猟採集時代から服の素材として人類とともにあるレザーに魅せられた二人の男が立ち上げたファッションブランド・ノーノーイエスの魅力とおすすめアイテムをご紹介。
【目次】
1 ノーノーイエスとは
2 ブランド名の由来
3 ノーノーイエスの魅力
4 『所作』とは
5 ノーノーイエスの代表的なアイテム
1 ノーノーイエスとは
- 価格:★★★☆☆
- 品質:★★★★★
- 独創性:★★★★★
- 知名度:★★★☆☆
No, No, Yes!(ノーノーイエス)とは、ファッションデザイナー・バイヤーをしていた橋本太一郎氏と、その高校時代の同級生でありグラフィックデザイン出身の河村真氏が立ち上げた日本を代表するレザーブランドで、代表作として『所作』が挙げられる。
同ブランドは、日本製皮革製品のコンペティションであるジャパン・レザー・アワード2009にてグランプリを受賞し、パリのルーブル装飾美術館でも展示されたことがあるほど国内外で注目されている。
また、二人とも兵庫県・神戸出身なのだが、同じく兵庫県にある日本最大級のレザー産地・姫路に拠点を置いていて、地元から世界に挑戦する姿勢がかっこいい。
2 ブランド名の由来
2.1 老若男女が知っているワード
ブランド創業当初から世界を見ていた橋本氏と河村氏は、「Yes」と「No」という、年齢性別問わず世界中の誰もが知っている単語をブランド名に採用した。
2.2 バカボンパパの言葉
また、日本のギャグ漫画「天才バカボン」の「バカボンのパパ」の口癖である「反対の反対は賛成なのだ。」という、どこか哲学的で深みを感じさせる言葉にもインスピレーションを受けているという。
2.3 ジョン・レノンとオノ・ヨーコ
さらに、世界一有名なカップルであるジョン・レノンとオノ・ヨーコの出会い話にもノーノーイエスのブランド名のルーツがあるという。
二人の出会いのきっかけは、日本を代表する前衛芸術家であるオノ・ヨーコの作品『天井の絵』。
部屋の真ん中にある脚立を登り、天井からぶら下がった虫眼鏡で天井に書いてある言葉を見るというその作品だが、その言葉が「Yes」だったことをきっかけに二人は出会いやがて結婚に至った。
もし「No」と書かれていればすぐに画廊から出ていただろうと後にジョン・レノンは語ったという。
そんな素敵な出会いにもインスパイアされたブランド名なのだ。
このように様々な意味が込められて「No, No, Yes!」というブランド名が生まれた。
3 ノーノーイエスの魅力
3.1 ステレオタイプに囚われないデザイン
デザイナーとして長年ファッション業界に身を置いてきた橋本氏と、Webデザイン出身でファッションの専門知識のなかった河村氏の二人だからこそ、ステレオタイプに囚われないデザインが可能なのがノーノーイエスの最大の魅力。
3.2 世界で唯一のレザーテーラー
また、オーダーメイドのレザージャケットを仕立てる世界唯一の『レザーテーラー』を行なっているのもノーノーイエスの魅力の一つで、革素材からオーダーできる。
3.3 こだわりのレザー
さらに、レザーブランドであるノーノーイエスは、レザー本来の風合いを生かすことを意識しており、革をなめす際には「ピット槽なめし」という手法を用いている。
ピット槽なめしは、漬け込む期間だけで約1ヶ月も要する方法だが、そのぶん自然の風合いを保ったまま耐久性のあるレザーが出来上がる。
一般的な手法と比べると手間がかかるが、世界水準よりはるかに手間暇かけてこだわり抜いた製品しか提供しない日本の古くから継承されてきた精神を感じる。
4 『所作』とは
『所作』とは、結婚式でお祝儀を包む1枚の布「袱紗(ふくさ)」をモチーフにしたアイテムシリーズで、一切縫うことなく上質な一枚のレザーを折り畳んだデザイン。
また、レザーの折り重なりには、600年以上も前から日本に伝わる「折形(おりがた)」という贈答品を包む際の礼儀作法を落とし込んでいて、日本の美学をふんだんに盛り込んでいる。
そんな『所作』は2013年に、ヨーロッパ最大の皮革製品見本市であるミペルにて最高賞の「ミペル・アワード」を受賞した。
まさに日本のカルチャーを背負って最前線で戦うレザーブランドである。
5 ノーノーイエスの代表的なアイテム
最後に、ノーノーイエスの代表的なアイテムを三つご紹介。
5.1 所作 cp ウォレット 2.5
一枚革から出来上がる『所作』シリーズのコンパクトな財布。ミニマルなデザインが人気で、他人に自慢したくなるデザイン。
5.2 所作 オイルヌバック ロングウォレット
まるで毛並みに触れているような肌触りが特徴的な『所作』シリーズの長財布。日本の美学を落とし込んだロングウォレットは持っているだけで気分が上がるだろう。
5.3 所作 クラッチバッグ ブラック
ブラックカラーのレザーが高級のあるデザイン。『所作』に惚れ込んでしまったら、他のクラッチバッグでは満足できないだろう。
日本の文化を尊重し、ファッションに落とし込むレザーブランド・ノーノーイエス。ドメスティックブランド好きにはたまらないこのブランドにもっと注目していきたい。
MINARI.(ミナリ)は情報の質にこだわり、記事の執筆に時間をかけて丁寧に行っています。
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