伝説のラッパー・Biggie(ビギー)のファッション特集
ノートリアス・B.I.G.もしくはBiggieとして知られるこのラッパーは、もし今でも生きていたら今年(2021年)で49歳だった。
そして、彼のラップが最高なのはもちろんの事だが、同じくらい注目すべきなのが彼のファッションスタイルであり、生前に数々のトレンドを生み出した。
しかし、それらのトレンドのうち、何個が現代ストリートファッションに残っているのだろうか。
そこで今回紹介するのが、彼の最高のファッションスタイル8個と、それらが今のファッションに与えている影響だ。
それでは一緒に見ていこう。
【目次】
1 COOGIのセーター
2 Versaceのサングラス
3 Versaceのシルクシャツ
4 BAPEのカモ柄
5 KANGOLのベレー帽
6 キリストの顔のペンダントネックレス
7 タートルネックセーター
8 フェルトハット
ちなみに、Biggieを含めた90年代のラッパー達の愛用していたファッションブランドは下記の動画でチェック。
1 COOGIのセーター
当時
BiggieといえばCOOGIのセーターだろう。
オーストラリア・メルボルン発のニッチなニットウェアブランドであるCOOGIは、本来上流階級の人々をターゲットしていたが、Biggieがその流れを変えた。
ギャング達のおかげでPOLO RALPH LAURENがストリートで予想外の流行を見せたのと同じように、ビギーはCOOGIをHIPHOPシーン、そしてストリートという新しい市場で広めたのだ。
COOGIにとっては予想外の追い風だったことだろう。
POLOの流行についてご存知でなかった方は下記記事でチェック。
現代
そんなCOOGIは2000年代半ばに一度落ち込んだが、90年代ブームと多くの有名人たちのおかげで、現在はこれまでに見たことのない人気を誇っている。
COOGIを日本のシーンで流行らせたラッパーや、COOGIのカラフルなセーターを着ているラッパー達については下記の記事でご覧あれ。
2 Versaceのサングラス
当時
ノートリアス・B.I.G.のもう一つのトレードマークといえば、メデューサエンブレムが目立つVersaceのサングラスだ。
Versaceの現在のクリエイティブディレクターであるドナテラ・ヴェルサーチは、ストリートにVersaceを広めたビギーに感謝している。
そして、ビギーは貧しい環境から、2Pacと共にVersaceのランウェイに定期的に参加するラップスターにまで上り詰めたのであった。
現代
ビギーと固い絆で結ばれているプロデューサーのパフ・ダディは、長年Versaceのサングラスをかけているし、もっと最近だと、Tygaや2 Chainzがトレンドを復活させようと努力している。
彼らがBiggieと同様にそのサングラスを広めることができるかどうかはわからないが、いずれにせよ、Biggieの影響が現代にも色濃く残っていることには間違いない。
USのHIPHOPシーンにおいて最も印象的なサングラス特集については下記でチェック。
3 Versaceのシルクシャツ
当時
ビギーのVersace愛はサングラスに止まらない。
『Hypnotize』のMVにて彼がVersaceのシルクシャツを着たことで、HIPHOPシーンに「洗練されたスタイル」という新しいトレンドが生まれた。
ちなみに、彼が着ていたVersaceのアイテムは、Biggie仕様にサイズ調整されていたそうだ。
一人のラッパーに対してこのような手厚いサービスをするのは当時では考えられないことで、ラッパー達との絆を育もうとしたVersaceの先見の明には感服だ。
ラッパー達がVersaceを着るようになるまでのストーリーをもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧あれ。
現代
ビギーと2PacがVersaceへの愛を示して以来、同ブランドのシルクシャツの人気はほとんど衰えていない。
カニエウェストやドレイク、そして日本だとKOHHやRYKEYらがシルクシャツを着ているのを見たことがある人は少なくないだろう。
4 BAPEのカモ柄
当時
今では考えられないが、90年代初期だと、カモ柄の服が欲しければミリタリーストアに行く必要があった。
そして、多くのギャングスターやHIPHOPアーティスト達は、クールなミリタリーアイテムを欲しがったが、それを企画しようとしたストリートブランドはなかった。
しかし、先見の明がある、HIPHOP好きな日本のデザイナー・NIGO氏がトレンドを予測しBAPEで実現したのだった。
そして、BAPEのカモ柄ジャケットはビギーの手に渡り、爆発的人気を呼んだ。
現代
BAPEのカモフラージュ柄が今でも愛されていることは下記記事を見れば一目瞭然だ。
当時
KANGOL Wool 504(ベレー帽)は、ファッションセンスの鋭いビギーによって、礼儀正しい世界からHIPHOPシーンに持ち込まれたアイテムの一つ。
1980年代にLL COOL JやRUN-D.M.C.といったラッパー達がKANGOLのバケットハットを着用していたが、巨漢のノートリアス・B.I.G.にはベレー帽の方がマッチしており、彼のトレードマークの一つになった。
現代
ところが、KANGOL Wool 504があまりにもビギーにマッチし過ぎていたためか、彼ほどこの帽子が似合うラッパーは今のところ出てきていない。
いつかビギーよりもクールにコーデに取り入れるラッパーが出てくるのが楽しみだ。
また、KANGOL Wool 504は現在も6,930円で販売しているので是非チェックしてみて欲しい。
6 キリストの顔のペンダントネックレス
当時
ノートリアス・B.I.G.がイエスキリストのペンダントネックレスを取り入れた最初のアーティストかどうかについては諸説あるが、初期に取り入れた人物の一人であることには間違いない。
ビギーは、リル・シーズと親友のD-ROC、そして自分へのプレゼントとして、ジュエリーデザイナーのTitoから、ダイヤモンドでブリンブリンのイエスモチーフネックレスを購入した。
それ以来、彼がそのネックレスを身につけている姿は頻繁に目撃されるようになった。
相当気に入っていたのだろう。
現代
そして、2004年にカニエウェストが着用して以来、このキリストの顔のネックレスは前例のない盛り上がりを見せている。
安物のレプリカが数え切れないほど市場に出回っているが、それは同時に、このネックレスがHIPHOPを象徴するアイテムの一つであることを意味しているのだ。
ちなみに、日本のラッパー・LEXも、インタビューなど様々な場面でイエスキリストの顔のネックレスを着用している。
7 タートルネックセーター
当時
当時、多くの人たちにとって、タートルネックセーターはファッションアイテムから程遠かったが、Biggieがダブルブレストのレザーコートの下にタートルネックセーターを着たことで、人々のイメージが激変したのだった。
元々ファッションアイテムでなかったものをファッションに取り入れ、さらにそれを流行らせたビギーの影響力は計り知れない。
現代
しかし、現代においてタートルネックをビギーほど着こなせる人は多くない。
Jay-Zは時々、フォーマルな服装にタートルネックを取り入れることで着こなしているが、最近ではどちらかといえばスティーブ・ジョブズのイメージの方が強くなってしまった。
8 フェルトハット
当時
Biggieのファッションは段々とフォーマルなスタイルになっていった。
もちろん、KANGOLのベレー帽を全く被らなくなったわけではないが、シャープに仕立てられたスーツに合うように、彼はよりつばの広いフェルトハットを着用するようになったのだ。
現代
残念ながら、バケットハットと同様にRUN-D.M.C.の代表的なアイテムでもあったフェルトハットを着用しているラッパーは最近ではほとんど見かけない。
しかし、日本のラッパー・KOHHは『Fuck Swag』のMVでフェルトハットをクールに着用しているので見たことがある人も改めて見てみてはいかがだろうか。
いかがでしたでしょうか。今回は、伝説のラッパー・ビギーのベストファッションスタイルをご紹介しました。
現代のストリートファッションにも残る彼のスタイルを見て楽しんでいただけたのなら光栄です。
MINARI.(ミナリ)は情報の質にこだわり、記事の執筆に時間をかけて丁寧に行っています。他の記事もぜひ合わせてお楽しみ下さい。