アレン・アイバーソンはいかにしてNBAファッションを変えたのか
ファッション面で言えば、アレンアイバーソンほどNBAの文化に影響を与えた選手はいないかもしれない。
コート内外でのアイバーソンの派手なファッション(私服・髪型)は、他の多くの選手やファンたちにとってスタンダードとなった。
今回は、アレンアイバーソンがいかにしてNBAファッションを変えたかをご紹介しよう。
1 アレンアイバーソンの影響力
ジュエリー、帽子、ヘッドフォン、そしてルーズフィットの服装は、アレンアイバーソンの試合前のスタイルの定番であった。
実は、他のNBA選手たちも、当時流行っていたThe Notorious BIGや2Pacといったギャングスタラッパーたちのファッションを真似したがっていたのだが、アイバーソンがNBAにそのスタイルを導入したパイオニアなのだ。
しかし、当時のNBAコミッショナー(最高経営責任者)であるデビッド・スターンは見逃さなかった。
他国がおそろいのスポーツジャケットを着ているのに対し、アメリカ代表がスウェットやジーンズ、チェーンといった自由なスタイルをしているのを見て、デビッド・スターンは下記のような服装規定を定め、秩序を保とうとした。
- ノースリーブシャツの禁止
- 短パンの禁止
- 事前許可の取っていないTシャツ・ジャージ・スポーツウェアの着用禁止
- 試合・インタビュー・リーグイベント時における帽子の着用禁止
- チェーン・ペンダント・メダリオンネックレスの禁止
- サングラスの禁止
- 試合前トンネル内におけるヘッドホン禁止
- 試合前の服装は、襟付きシャツやスポーツコートなどビジネスカジュアルに
リーグはこれらのドレスコードにより、アレンアイバーソンのファッションスタイルを狙い撃ちにしたのだ。
2 ドレスコードに対するアイバーソンらの反発
アイバーソンは、NBAによるこの規定が、自分を含めた黒人選手たちをターゲットにしたものだと考えた。
そして、そう感じたのはアイバーソンだけではなかった。
元ゴールデンステート・ウォリアーズのジェイソン・リチャードソンはこのドレスコードを人種差別と呼び、スティーブン・ジャクソンもこの意見に賛同していた。
また、コーチたちの中にも規定に対して反発する人も少なくなかった。
3 今日のNBAファッション
そしてそれ以来、リーグはドレスコードを緩めるようになった。
しかし、アイバーソンの現役時代とは異なり、現在のリーグではルーズな服装をする人はいなくなり、選手たちはスキニージーンズなどのタイトな服を着ている。
アイバーソンは、「ドレスコードを導入すべきだ」と現在のNBA選手たちのスタイルをからかっている。
「リーグは、僕が今の選手たちのような服装をすれば狙い撃ちして大騒ぎしただろう。」とも。
アレンアイバーソンがNBAに与えた影響は、現在でも感じることができる。
スタイルは変わっても、選手を含め多くの人々がアイバーソンのおかげでNBA選手たちの自由なファッションに興味を持つようになったことは間違いない。
いかがでしたでしょうか。
ファッションが最重要項目の一つである現在のNBAシーンを作り上げたアレン・アイバーソンは偉大だ。
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