
ラッパー達はなぜニューエラのベースボールキャップを被るのか?
元々、メジャーリーグファンの間で人気が沸騰したニューエラのベースボールキャップは、今やストリートシーンでお洒落な人々の必需品とまでなっており、クールなラッパーやスケーターがこぞってニューエラのキャップを被っている。
そこで今回は、キャップを被りこなすラッパー達を紹介しながら、ニューエラとヒップホップのストーリーを紐解いていこう。
【目次】
1 ニューエラとは
2 ニューエラを流行らせたラッパー達
– Limp Bizkit
– Dr.Dre
– Jay-Z
3 ニューエラを被る日本のラッパー達
ニューエラのクールな被り方については下記記事をチェック。

1 ニューエラとは
NEW ERA(ニューエラ)とは、1920年にアメリカ・ニューヨークにて設立したキャップメーカーであり、ファッションからスポーツまで様々な目的に応じたキャップの製造を行なっていた。
キャップの型や作りにこだわり続けたニューエラは1934年に、遂にメジャーリーグの人気チームクリーブランド・インディアンスと正式に契約を結び、インディアンスのユニフォームキャップの製造を行うことになる。
これを機に、品質の高いニューエラのキャップは評価され1950年代には、ブルックリン・ドジャースなどのチームのキャップ製造も担当し、1970年代にはほぼ全てのメジャーリーグチームとの契約を獲得する。
こうして、キャップメーカーとして飛び抜けたニューエラはその後、一般層に対してもメジャーリーグチームのキャップ販売を展開し、「選手と同じキャップを被る」というファンの夢を叶え、心を掴んだ。
2 ニューエラを流行らせたラッパー達
こうしてメジャーリーグファンから高い支持を受けたニューエラは、必然的にストリートシーンに浸透していった。
そして、ニューエラとHIP HOPの関係は、1990・2000年代に活躍したラッパー達が被ることにより確かなものになる。
ここでは、ニューエラをヒップホップシーンで流行らせた伝説のラッパー達をご紹介しよう。
Limp Bizkit
ニューエラキャップをストリートシーンにいち早く持ち込んだのが、ラップメタルバンド・Limp Bizkit(リンプ・ビズキット)だ。
リンプ・ビズキットのボーカルであるフレッド・ダーストはMVやライブにてニューエラの定番型59FIFTYを愛用し、彼のファンはニューエラキャップを買い求めた。
Dr.Dre
ギャングスタラップを切り開いたN.W.AのメンバーであったDr.Dre(ドクター・ドレー)もニューエラキャップを流行らせたラッパーの一人と言えるだろう。
因みに彼は、現在では世界で最も金持ちのアーティストとしても知られており、自身が立ち上げたヘッドフォンブランド・Beats by Dr.Dreをアップル社に3000億円で売却している。
ギャングに始まった彼は、HIP HOPを通じて頂点に上り詰めたのだ。
Jay-Z
2000年代のヒップホップシーンにおいて最も活躍したといっても過言ではないJay-Z(ジェイ・ズィー)は当時のファッションアイコンであった。
そんな彼は、不朽の名作である『Empire State of Mind』のMVにおいてもニューエラのヤンキースキャップを被っている。

3 ニューエラを被る日本のラッパー達
こうしてヒップホップシーンにてブームを起こしたニューエラキャップは、日本のストリートシーンにおいても長く愛されるアイテムの一つ。
DJ RYOWがプロデュースし2014年に公開された楽曲『New Era』の、「前髪出して被るなよ、バーカ」というSOCKSのバースは印象的だ。
では最後に、カルチャーを継承しニューエラのキャップを被りこなす日本のラッパーをご紹介しよう。
ラッパー達が被っているキャップのブランド特集は下記記事をチェック!

JP THE WAVY
JP THE WAVYはニューエラキャップの被り方がとても上手く、時にはスナップバックや横に被ることで被りこなす。
キャップが似合わないという悩みを持っている人は是非彼の被り方を参考にしてみて欲しい。

¥ELLOW BUCKS
日本のヒップホップカルチャーを大切にする¥ELLOW BUCKS(イエローバックス)もニューエラキャップを愛用するラッパーの一人。
圧巻のライブパフォーマンスを披露し優勝した第三回ラップ選手権の決勝においてもロサンゼルス・ドジャースのキャップを被っている。
ニューエラキャップとドレッドの相性は抜群のようだ。

5lack
ベテランラッパーである5lack(スラック)は、読売ジャイアンツのニューエラキャップを被りこなす。
スケーター色の強い5lackのファッションは、ストリートファッションが好きなら必見だ。

Young Dalu
Young Daluも『Celebration』のMVにてニューエラのロサンゼルス・ドジャースのキャップを被っている。
また別のシーンでは、ヤンキースのキャップも被っており、ニューエラ好きであることが伺える。
残念ながらNormcore Boyzは活動休止となってしまったが、メンバーのこれからの更なる活躍に期待だ。
以上、今回はニューエラのキャップとヒップホップについてその歴史と現在を覗きました。
「良いもの」は時代の変化に関わらず残り続ける。ニューエラのキャップはその代表例と言えるかもしれない。
MINARI.(ミナリ)は情報の質にこだわり、記事の執筆に時間をかけて丁寧に行っています。他の記事もぜひ合わせてお楽しみ下さい。