2000年代初期のヒップホップファッショントレンド特集
2000年代の最初の10年間は、80年代・90年代と同じように、印象的なファッショントレンドでいっぱいであった。
そして、今日でも、GALLERY DEPT.のような2000年代の美学を継承しているブランドを数多くのアーティスト達が支持している。
今回は、ヘッドバンドからVon Dutchのメッシュキャップの興亡まで、2000年代初頭のHIPHOPファッショントレンドをご紹介していこう。
【目次】
1 ラッパーのオリジナルブランド
2 ヘッドバンド
3 ロング丈Tシャツ
4 メッシュキャップ
5 襟を立てたポロシャツ
6 Shutter Shades
7 落書きにインスパイアされたウェアアイテム
8 バスケタンク
9 服装に合うスニーカーを選ぶ
10 真夏のスカーフ
1 ラッパーのオリジナルブランド
当時、多少お金を持っているラッパー達は自分でウェアブランドを立ち上げた。
2000年代のヒップホップファッションブランドのほとんどは、売れ残って地方のアウトレットにたどり着いていたが、アンドレ・3000のBenjamin Bixbyのような評価の高いブランドも次第に現れるようになった。
そして、このトレンドは現代まで続いており、カニエウェストのYEEZYや、タイラーザクリエイターのGOLF WANGのようなストリートを席巻しているブランドも数多く存在している。
2 ヘッドバンド
ヘッドバンドは、90年代にファッションアイテムとして流行ったバッティンググローブと同じぐらい、ラッパー達にとっては必需品であった。
しかし、現在では再びスポーツ用品としての着用がほとんど。
残るトレンドもあれば、消えていくトレンドもあるのだ。
3 ロング丈Tシャツ
安くて、機能的で、何にでも合わせやすいロング丈のTシャツは、2000年代のHIPHOPシーンで最も印象的なトレンドの一つだろう。
ロング丈のTシャツは「麻薬の売人が着る服だ」という偏見を持っている人が多かったため、数々のクラブで禁止され、マスコミでも非難されていたが、そこまで勘繰る必要はあったのだろうか。
結局のところ、4サイズ大きいTシャツに過ぎない。
4 メッシュキャップ
アメリカの俳優であるアシュトン・カッチャーと、歌手兼女優であるブリトニー・スピアーズの二人がVon Dutchのメッシュキャップ(トラッカーハット)を被ったことが、このアイテムの革命のスタート。
長距離トラックドライバーがメッシュキャップを被っていたことから名付けられたこのアイテムは、今もHIPHOPシーンで愛されているものの一つだ。
5 襟を立てたポロシャツ
プレッピースタイルと呼ばれる、名門校のお坊ちゃん風ファッションは現代でも定番スタイルの一つだ。
当時は、Abercrombie&FitchやHollisterといったブランドが爆発的人気を呼んでいたため、それらでプレッピースタイルをコーディネートする人が多かった。
2005年にリリースされたカニエウェストのミックステープ「Freshman Adjustment」のジャケットが、当時プレッピースタイルが流行っていてポロシャツの襟を立てるのがカッコいいとされていたことの証拠だ。
Shutter Shades(シャッターシェード)は、レンズの代わりに水平なバーが取り付けられたサングラス。
爆発的に売れた楽曲『Stronger』のMVでカニエウェストがシャッターシェードを着用したことで、曲が爆発的に売れただけでなく、数ヶ月の間シャッターシェードがアクセサリーとしてストリートで流行した。
しかし、今となっては、そもそも前が見えないこのシャッターシェードをつけているのは、当時のカニエを懐かしんでいる人くらいだろう。
7 落書きにインスパイアされたウェアアイテム
エアブラシでデザインされたTシャツは80年代に流行ったが、2000年代は、ストリートの大物アーティスト達からインスパイアされたアイテムがたくさん現れた。
有名どころだと、ECKO UNLTDやFUBU、PNB NATIONといったブランドは、スプレーペイントやストリートアートをなんらかの形で服に取り入れていた。
また、ストリートアーティストであるシェパード・フェアリーが立ち上げたブランド・OBEYも、バラク・オバマの肖像画である「HOPE」という自身の作品のおかげもあり、一気に有名になった。
8 バスケタンク
米フィラデルフィア最古のスポーツ会社であるMitchell&Ness(ミッチェル&ネス)は、レトロなバスケユニフォームで大成功を収めた。
NBAで大活躍していたアレン・アイバーソンもほぼ毎日Mitchell&Nessのバスケタンクを着ていた。
確かに、バスケタンクはあっという間に市場に溢れてしまったが、Mitchell&Nessが、Just DonやEric Emanuelといった、今日バスケタンクをリリースしているブランドの先駆的存在であることは間違いない。
9 服装に合うスニーカーを選ぶ
より奇抜なカラーのスニーカーの登場や、スニーカーヘッズ急増の影響で、メンズ達はクラシックなカラーリングのスニーカーを探すだけでなく、クローゼットの中にある服の色を考えてスニーカーを買うようになっていった。
そして現在、ほとんどのメンズにとって服装とスニーカーの色を合わせるのは当たり前だ。
10 真夏のスカーフ
真夏や、暖房の効いた部屋でもスカーフを巻いている人を見たことがあるだろうが、それは2000年代に始まったトレンド。
ネックレスのように、シンプルなTシャツとスキニージーンズに合わせるのが一般的なスタイルだ。
今ではあまり見なくなったが、決して消滅したわけではなく、このスタイルを好むメンズは街で時々見かける。
いかがでしたでしょうか。今回は、2000年代初期のヒップホップファッショントレンドをご紹介しました。
気に入ったファッショントレンドがあれば明日のコーデにいかがだろうか。
MINARI.(ミナリ)は情報の質にこだわり、記事の執筆に時間をかけて丁寧に行っています。他の記事もぜひ合わせてお楽しみ下さい。