RANDY|皆が見過ごす「日常」をファッションに落とし込む天才
日本のドメスティックブランドを取り上げる企画【.jp】(ドット・ジェー・ピー)。
ドメステックブランドとは日本人デザイナーが始めたブランドのことを指し、既存の西洋文化に日本的な新要素を加え、時には破壊することで新しい価値を生み出しています。
そして今回は、日常生活やアートから着想を得たアイテムを展開するブランド・RANDY(ランディ)の魅力と世界観に迫ります。
【目次】
1 RANDYについて
-1.1 RANDYとは
-1.2 RANDYの特徴
2 日常からインスパイアされたコレクション
-2.1 2019-2020AW “Piano”
-2.2 2020SS “Klein Blue”
-2.3 2020-2021AW “Sitges”
1 RANDYについて
1.1 RANDYとは
- 価格:★★★★☆
- 品質:★★★★★
- 独創性:★★★★★
- 知名度:★★☆☆☆
RANDYとは2017年にスタートしたファッションブランドで、デザイナーの相川龍之介氏(1994年生)は当時23歳という若さだった。
彼は文化服装大学ショップスタイリスト学科の卒業生で、卒業後は中目黒にあるセレクトショップ・Vase tokyoで働きながら、RANDYというブランドで独自の世界観を発信していた。
2019年以降は、4年間勤めていたVase tokyoを辞め、RANDYに専念されているようだ。
ちなみにVase tokyoの店舗は、中目黒の川沿いの閑静なエリアにある築70年の古民家。
古典的かつ前衛的なブランドのアイテムを世界中からセレクトしているセレクトショップであり、機会があれば是非立ち寄ってみて欲しい。
⬇︎代官山のセレクトショップ店員がスタートしたブランドの記事はこちら⬇︎
1.2 RANDYの特徴
RANDYは、街並み・建築・芸術家などから得た着想を服に落とし込んだ美しいデザインやシルエットが特徴。
日常にありふれていて見飽きたような景色も、相川氏の目には美しく新鮮に映っているのかもしれない。
RANDYは毎シーズン1つのコンセプトが定められており、それは風土であったり建築であったり様々である。
2.1 2019-2020AW “Piano”
襟元の左右差は、二つ並んだピアノの白い鍵盤の片方だけ押した時の段差をイメージしている。
ボタン穴周りのデザインが、ピアノの鍵盤をモチーフにしている。
ピアノを想起させるような上品な雰囲気をまとっている。
2.2 2020SS “Klein Blue”
Klein Blueとは、フランスの芸術家であるYves Klein(イヴ・クライン)が作った色で、高貴な青色として知られる。
しかし、RANDYの2020SSコレクションでは、あえてそのブルーを使わず、イヴ・クラインの世界観を表現した。
このジャケットは、イヴ・クラインが柔道を学んでいたことから、柔道着のしなやかなモーションをモチーフに作られたアイテムで、唯一無二のデザインである。
この襟付きシャツは、イヴ・クラインが資料の中で着ていたシャツのオマージュアイテム。
2.3 2020-2021AW “Sitges”
このシーズンは、RANDYのデザイナー・相川氏が訪れたスペイン・バルセロナにあるSitges(シッチェス)という街から着想を得たコレクションとなっている。
シッチェスは海沿いの街で世界中からバカンスで人が集まり、楽しい雰囲気が漂う。
そんなシッチェスで相川氏が見た植物から着想を得たのがこのプルオーバー。
「日常」をファッションに落とし込む個性的なブランド・RANDYの今後にも目が離せない。
MINARI.(ミナリ)は情報の質にこだわり、記事の執筆に時間をかけて丁寧に行っています。他の記事もぜひ合わせてお楽しみ下さい。