【メンズ】2022年注目すべきファッションブランドランキング
地球規模の混乱はまだ続いており、サプライチェーンの問題は依然としてアパレル業界に大きな影響を与えているが、世界の限られたファッションブランドはエキサイティングなアイテムと魅力的な物語を提示することに成功している。
LOUIS VUITTONやBOTTEGA VENETAといった有名な大物ブランドは、定番のアイテムやコラボレーションでファンを魅了し続けており、DENIM TEARSやJoe Freshgoodsといった新鋭ブランドはますます世界中にファンを増やしている。
そこで今回は、世界中のメンズファッショニスタたちが2022年活躍することを最も期待しているファッションブランド一覧をランキング形式でご紹介しよう。
1 Telfer
Telfer(テルファー)のThe Shopping Bagが今ホットであり、「若者のバーキン」と呼ばれている。2014年から販売しているこのバッグの人気が急上昇し、古参のファンたちの中には苛立ちを覚える人も。
デザイナーであるテルファー・クレメンス氏がTime誌の「The Next 100 Most Influential People(最も影響力を持つようになる100人)」の表紙を飾ったことから2021年は最高のスタートを切った。
その後、テルファーのシグネチャーアイテムであるThe Shopping Bagを模倣したGUESSのバッグがSNSで炎上し、GUESSはそのバッグの販売を取り下げる事態に。クレメンスはコピー商品に気付いていたが、テルファーのThe Shopping Bagを脅かすものではないと考え、何も行動を起こさなかったという。
さらに、バッグの認知度が高まったことで転売ヤーたちが参入し始め、テルファーはあらゆる策を講じ、この問題に対処している。
テルファーは代表作であるショッピングバッグでよく知られているが、ユニセックスのアパレルも充実しており、CONVERSEやMOOSE KNUCKLESとのコラボレーションも話題になった。
また、リアーナがテルファーのトラックジャケットを着ていたり、リル・ナズ・Xやジェイデン・スミスがThe Shopping Bagを持っていたりと、ますます多くのビッグな顧客を抱え始めたテルファーは2022年再注目ファッションブランド。
2 BALENCIAGA
デムナヴァザリアはマルジェラ、ヴィトン、そして自身の立ち上げたヴェトモンを経て、2015年にBALENCIAGA(バレンシアガ)のクリエイティブ・ディレクターに就任した。
就任して以来、彼は「トリプルS」などの風変わりな人気アイテム、刺激的なショー、有名人とのコラボレーションで人々の注目を集めてきたが、2021年はさらに本気を出したように思われる。
まずヴァザリアは、GUCCIとコラボし、両ブランドのシグネチャーシルエットとロゴを融合させたカプセルコレクション「The Hacker Project」を発表。そしてその後、BALENCIAGAのクチュールコレクションを53年ぶりに復活させることを発表した。
さらに、カニエウエストとの関係も深まり、カニエはこの一年、BALENCIAGAの革ジャンとクロコブーツを頻繁に着用していた。カニエの新アルバム「DONDA」のリスニングパーティーではヴァザリアがクリエイティブディレクターを務めたこともファンの間では有名だ。
また、ファッションの祭典「メットガラ」におけるキム・カーダシアンの衣装や、2021年秋のキャンペーンでジャスティンビーバーが出演したこと、そして人気ゲーム「フォートナイト」にデジタルアイテムを提供したことも大きな話題を呼んだ。
2022年も、ヴァザリアはクリエイションとマーケティングで我々を驚かせてくれるに違いない。
3 BOTTEGA VENETA
2021年11月、クリエイティブ・ディレクターのダニエル・リー氏がBOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)を去ることが発表された。リー氏は、「ザ・パドルブーツ」や「ボッテガグリーン」と呼ばれる2021年のトレンドカラーを生み出し、ブランドをトレンドの最先端に押し上げたことで知られている。
退任のニュースは驚きであったが、リー氏のボッテガ最後の1年は他のどのブランドよりも輝かしかった。
まず、「SNSは文化の均質化を象徴する」として年始に全SNSアカウントを削除したことから2021年をボッテガの流れに持ち込んだ。また、ボッテガといえばイントレチャートだが、リー氏はこれをモダンに再解釈し、カセット・バッグや「リド」と呼ばれるサンダルなどに応用し、これらは爆発的な人気を呼んだ。
マチュー・ブレイジーが率いる2022年からのボッテガ・ヴェネタに世界中から注目が集まる。
4 Aimé Leon Dore
Aimé Leon Dore(エメレオンドレ)はストリートウェアとメンズウェアの絶妙なバランスで若い世代を中心に愛されているが、さまざまな年齢・人種・性別・文化のクリエイターたちにエメレオンドレの服を着てもらった2020年秋冬のキャンペーンで、ALDの服は誰にでも似合うことを証明している。
そして、このブランドの最大の強みは、シーズンを重ねるごとに微調整してアップデートできる力だ。
その結果、数分で売り切れてしまうパッチワークカーディガン、さまざまな種類のペニーローファーやペインターパンツなどといったヒット商品を数多く生み出している。
コラボレーションも充実しており、中でもニューバランスとのコラボは絶大な人気を誇っている。牛肉とブロッコリーにインスパイアされた993は、11月にリリースされるや否や即完売の人気を見せた。
また、スニーカー以外だとポルシェとコラボしたり、老舗アウトドアブランドのWOOLRICHと継続的に取り組んだりすることで、ブランドのクオリティを証明している。
値段の高さを問題とする人も少なくないが、そこは2022年もALDの成長を妨げるポイントではないだろう。
5 Joe Freshgoods
Joe Freshgoods(ジョーフレッシュグッズ)は独自のやり方で勝ち続けている。新しいアイテムを発売することはもちろん、パートナーシップを活用して地元のコミュニティを支援したり、小規模なクリエイターにスポットライトを当てたりすることでブランドをより特別なものにしている。
そんなジョーフレッシュグッズにとって2021年はこれまでで最大の年になったと言えるだろう。
まず、5月にセブンイレブンとのコラボアパレルラインをリリースし、シカゴにあるセブンイレブン店舗の改装も手がけた。このビッグプロジェクトはジョーフレッシュグッズに大きな信頼をもたらしたと言えるだろう。
また、8月に発売されたニューバランスとのコラボスニーカー「990v3 “Outside Clothes”」もジョーフレッシュグッズの人気を大きく押し上げたプロジェクトであろう。
過剰なものに執着する世の中で、量ではなく質にこだわるジョーフレッシュグッズが2022年にどんなプロジェクトを計画しているのか楽しみでならない。
6 ARC’TERYX
ザ・ノース・フェイスやパタゴニアなどの人気アウトドアブランドが半世紀近くの歴史を持つのに対し、ARC’TERYX(アークテリクス)はまだ創業25年にも満たない若手ブランド。
しかし、革新的なデザインによりアウトドアウェア界のリーダーとしてのポジションを確立している。
そんなアークテリクスがストリートにて一気に広まるきっかけとなったのは、故ヴァージル・アブロー氏がヴィトンの2020AWランウェイショーでALPHA SV JACKETを着用したことだろう。
また、PALACEとのコラボレーションによっても多くの新しいファンを獲得した。
2021年、アークテリクスはタカ・カスガ氏が手掛ける、カジュアルながら登山でも通用するスタイルの新ライン「System_A」を発表。
タカ・カスガ氏はコムデギャルソンを経てアークテリクスに入社し、アークテリクスの古参ファンを満足させながらも、ブランドを知ったばかりの人が親しみやすいコレクションをデザインした。
そして、伝統を守りながらカジュアルさを実現できたからこそJIL SANDER(ジルサンダー)と最強のタッグを組めたと言えるだろう。
アミーネやリル・ヨッティといった有名人たちによる着用でこれまでにないほどの脚光を浴びながらも、アークテリクスは未来を見据えている。
Supremeをブランド・ディレクターとして10年以上支えたアンジェロ・バク氏が手掛けるAwake NY(アウェイク・ニューヨーク)はシーズンを重ねるごとにアップデートされ続ける。
そして、2012年にブランドがスタートして以来、間違いなく最も調子が良かったのは2021年であった。
2021年、Awake NYはニューエラやVANS、クロックスといったブランドとコラボしたが、どのプロジェクトにおいても圧倒的存在感を発揮した。
新しいブランドでありながら、クラシックなストリートウェアをお探しの方にとって、Awake NYは間違いなくドストライクだ。
8 18 East
ラルフ・ローレンのラグビーラインでデザインを担当していたアントニオ・チオンゴリ氏が2018年に立ち上げた18 East(エイティーン・イースト)は、現代の「知る人ぞ知るブランド」の中で最も成長しそうなブランド。
発売とともにほとんどのサイズが完売する18 Eastはマーケティング的な仕掛けは一切行っていないし、ましてや芸能人が着用したわけでも有名ブランドとコラボしたわけでもない。
ただ、誰にでも受け入れられる高品質のウェアを提供することで、根っからのストリートファッション好きの支持を得ているのだ。
近い将来、ますます多くのファンを獲得することだろう。
9 DENIM TEARS
DENIM TEARS(デニムティアーズ)を手掛けるニューヨーク出身のトレメーヌ・エモリー氏は、STUSSYやYEEZY、ASAP MOBのコンサルティングなどこれまでに様々な役割を果たし、ストリートファッションの分野で最も信頼されるクリエイターの一人として高い評価を受けている。
ASICSとのコラボスニーカーやSTUSSYとのコラボスタジャンが素晴らしい作品であることは言うまでもないが、ブランドにとってコラボレーションは単なる露出ではない。
NIKEに対して多様性や人種的公平性にもっと具体的に取り組むように促したり、ASICSとのコラボでは、ジョージア州で黒人奴隷が綿花栽培のために赤土農耕で強制労働させられていた事実をベースに、赤土と綿花から着想を得た2色のシューズを展開したりと、アフリカ系アメリカ人のルーツを積極的に発信している。
DENIM TEARSが現在最も影響力のあるブランドたるゆえんは、服の見た目がいいからというだけではないのだ。服を通して2022年も業界に多大なる影響を与えるだろう。
10 HUMAN MADE
ストリートウェアを語る上でNIGOほど重要な人物はいない。2000年代にはBAPEやBillionaire Boys Clubでコットンキャンディーのようなポップな色使いとカモ柄で一時代を築いた。
2013年以降、NIGO氏はBAPEの指揮をとっていないが、現在はクラシックなアメリカを表現したHUMAN MADE(ヒューマンメイド)を通じて人々の記憶に残るアイテムを生み出している。
ハートやアヒル、ブルドッグ、そして「Gears for Futuristic Teenagers」というフレーズは今やHUMAN MADEの代名詞であり、ヴァージル氏率いるLOUIS VUITTONとコラボした際にも、様々なアイテムに用いられた。
また、古くからの友人であるKAWSとのコラボレーションでは、HUMAN MADEのマスコットの目を「X」にしたグラフィックが採用され、話題のUSラッパー、Lil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)とのカプセルコレクションでは、いずれのアイテムにも親しみやすいコウモリのイラストと、リルウジの額に取り付けられたピンクダイヤモンドが描かれている。
2022年には、HUMAN MADEに加えて、NIGO氏率いる新生KENZOのデビューコレクションの発売が予定されており、NIGOの伝説第二章が始まる。
11 UNION LOS ANGELS
Stussyを唯一取り扱っていたことでも有名な世界初のストリートウェアショップであるUNION(ユニオン)で90年代から働いているクリス・ギブス氏は、30周年を迎える2021年に、UNIONを世界一のブランドにすべくあらゆる手段を使った。
NOAH、Awake NY、Born X Raised、Cuctus Plant Flea Market、Fear of God、STUSSYといったブランドとのコラボレーションでストリートファッション愛好家たちを沸かせた。
そして、昨年に引き続き、今年もNIKEとエアジョーダン4でコラボモデルを発表し、ファンたちの期待に応えた。
2022年のUNIONには更なる期待が寄せられる。
12 Rhude
「NEXT FEAR OF GOD」と言われているRhude(ルード)の2021年は、スポーツカーメーカーのマクラーレンとのコラボレーションから始まった。コレクションにはニット、革ジャン、スウェットなどが含まれ、すべてにマクラーレンのロゴが入っている。
そして、初の試みを続けるRhudeは、アトランタのラッパー・Futureを起用した、初のファッションキャンペーンを発表。また、NBAオールスター2021を記念してカナダグースとコレクションを発売し、アウターウェア業界にも足を踏み入れた。
RhudeはJAY-Zも愛用しており、他のファッションレーベルの中でも際立っている。着実にトップへと駒を進めていると言えるだろう。
13 Fear of God
Fear of God(フィアオブゴッド)は優雅に歳を重ねている。
2020年にはErmenegildo Zegnaとのコラボレーションにより、Fear of Godの精神とイタリアのファッションハウスの熟練したテーラリングを融合させたフルコレクションを発表し、大きな一歩を踏み出した。
第7弾コレクションではこのアイデアをさらに発展させ、イタリア製のテーラードスーツの導入、アメリカ製のクラシックなアメリカーナデニム、カシミアやウールを使用したセーターやパーカーの改良など、時代を超越したシルエットにフォーカスした。
セカンドラインであるESSENTIALS(エッセンシャルズ)も順調。メインラインのアイテムを買う余裕がなくてもFear of Godの美学を体験することができるので、多くの人々のお気に入りだ。
2022年もFear of Godにとって飛躍の一年になることは約束されている。
いかがでしたでしょうか。今回は、新鋭ブランドから大物ブランドまで、2022年の再注目ファッションブランドをランキング形式でご紹介しました。
皆さんが注目しているブランドはリストに含まれていただろうか。
MINARI.(ミナリ)は情報の質にこだわり、記事の執筆に時間をかけて丁寧に行っています。他の記事もぜひ合わせてお楽しみ下さい。