ペイズリー柄をストリートに持ち込んだ最初のブランドは?
近年、ハイブランドからストリートブランドまでペイズリー柄で溢れている。
今回は、そんなペイズリー柄をストリートに持ち込んだブランドやペイズリーのアイテムを着用するラッパーなどをご紹介します。
【目次】
1 ペイズリーについて
2 ペイズリーを最初にファッション業界に持ち込んだブランド
3 ペイズリーを最初にストリートシーンに持ち込んだブランド
4 ペイズリー柄のアイテムを展開する日本のブランド
5 ペイズリーを着用しているラッパー
1 ペイズリーについて
ペイズリーとは
ペイズリーとは、勾玉(まがたま)のような柄が張り巡らされた模様のことで、いわゆるバンダナ柄と同じであり、ザクロ・菩提樹の葉・糸杉・松カサなどがモチーフにされていると言われている。
ペイズリーのルーツはペルシアにあり、ペルシアで生まれた文様に影響を受けてインドのカシミール地方にて発展したため、ペイズリーは「カシミール模様」の異名も持つ。
そして、インドがイギリスの植民地であった時代に、英国兵がカシミール模様を持ち込み、イギリスのスコットランドにあるペイズリー市でカシミール模様のアイテムが量産されるようになった。「ペイズリー柄」という名前の由来はここにある。
そんなペイズリー柄は、現在ではオシャレな模様としてシャツやマスクにまで用いられている。
ペイズリーの意味
ペイズリー柄は、ゾウリムシや植物の果実、花びらと結びつけられることが多く、「生命」の象徴として考えられている。
ペイズリーを「気持ち悪い」と感じる人が少なくないのもこのためである。
しかし、多くの人にとってはやはり、安心感を与える模様であり、ペイズリーの曲線美には見惚れてしまう。
2 ペイズリーを最初にファッション業界に持ち込んだブランド
ペイズリーをファッション業界で最初に流行らせたブランドはETRO(エトロ)である。
祖母の使用していたカシミールショールの模様に惹かれたジンモ・エトロは、当時既に廃れていたカシミール模様(ペイズリー)を復活させるべく、ETROのブランド名でペイズリー柄の製品を次々に作り出していった。
そして、それらの製品がイタリアの富裕層に好んで使われるようになり、世界へ認知を広げていくようになったのだ。
そんなETROは、現在ではホームインテリアブランドとしてだけでなくファッションブランドとしても圧倒的人気を誇っており、今でもペイズリーはブランドのシグニチャーである。
3 ペイズリーを最初にストリートシーンに持ち込んだブランド
今でこそ多くのストリートウェアブランドが使用していることでトレンドとなっているペイズリーをストリートに初めに持ち込んだブランドはTHE HUNDREDS(ザ ハンドレッツ)である。
2004年にTHE HUNDREDSは、ヴィンテージのバンダナにインスパイアされて、白いペイズリープリントの施されたスウェットシャツを作った。
そして当時、BAPEを手掛ける日本人デザイナーのNIGO氏がカラフルなプリントが全体に散りばめられたパーカーをストリートカルチャーに持ち込んで話題になっていたこともあり、2005年にTHE HUNDREDSがペイズリーを全体に施したパーカーを販売し、ブランド初のスマッシュヒット。
SNSもない時代に、HTMLといった知識を一からGoogleで検索して学び、オンラインストアを立ち上げ、即完売するほどの人気だったという。
ペイズリー柄がストリートにおいて流行ると2000年初期の段階で分かっていた、その恐ろしいほどの先見の明に驚かざるを得ない。
また、NIGO氏がストリートシーンにおいてどれだけ重要人物であったかということも確認できた。
4 ペイズリー柄のアイテムを展開する日本のブランド
ペイズリーは日本でも勿論トレンドの柄であり、取り入れているブランドも多いが、今回は5つに絞ってご紹介。
READYMADE
READYMADE(レディメイド)とは、デザイナーの細川雄太氏が2013年に立ち上げたリメイクブランドで、今世界のストリートシーンにおいて最も熱いブランドの一つ。
ジャスティン・ビーバーやトラヴィス・スコットなど様々な著名アーティストに愛用されているREADYMADEは、ペイズリー柄のアイテムも人気である。
KAPITAL
KAPITAL(キャピタル)とは、デニムの聖地である岡山県の児島から世界にジャパンデニムを発信するブランドで、世界中で愛用されている。
KAPITALの人気アイテムは骨柄のデニムやジャケットであり、街中で一度は見かけたことがあるのではないだろうか。
Offset(オフセット)やトラヴィスなどのUSラッパーがKAPITALを愛用しており、日本だと、WILYWNKAやvividboooyが着用している。
ROGIC
ROGIC(ロジック)とは、Off-White Tokyoでスタッフとして働いていてデザイナーでもあるMAO(マオ)氏の手がけるブランドで、ペイズリーのカーゴパンツがシグニチャー。
ROGICのパンツはOff-Whiteを手がけるデザイナー・ヴァージルアブローや、USのアーティスト・ビリーアイリッシュなど多くのファッショニスタに愛用されており、今後さらに活躍することは間違いないだろう。
Children of the discordance
出典:childrenofthediscordance.com
Children of the discordance(チルドレン オブ ザ ディスコーダンス)とは、志鎌英明氏の手がける日本のブランドで、RalphやHideyoshiをモデルに起用したことでも話題になった。
Children of the discordanceのペイズリーアイテムは、独特のオーラを放っており、まさに良い意味で「調和しない」ブランドである。
デザインだけでなく、取り組みも素晴らしいChildren of the discordanceの詳細をぜひチェックしてみて欲しい。
visvim
visvim(ビズビム、ヴィズヴィム)とは、中村ヒロキ氏が2001年に立ち上げた日本のブランドで、シューズから始まり、2003年からはウェアも製作し始めた。
visvimはいわゆる裏原宿系の代表的なブランドであり、USラッパーのカニエウェストやドレイクなど世界中のセレブから支持されている。
5 ペイズリーを着用しているラッパー
最後に、ペイズリー柄のアイテムを着用しているUSと日本のラッパーをご紹介。
US
Offset
Offset(オフセット)がこちらのインスタ投稿で着用しているシャツは、KAPITALのアイテム。
また、OffsetはKAPITALが大好きで、骨柄のジャケットやデニムをたびたび着用していることでも知られている。
YoungThug
こちらの画像でYoungThug(ヤングサグ)が履いているパンツは、ROGICのアイテム。
Drake
Drakeが2019年4月のNBAの試合を最前列で観戦していた際に着用しているジャケットはvisvimのアイテムで、40万円を超える。
Tyga
Tygaがこちらの画像で履いているパンツはROGICのアイテム。
日本
Ralph
Ralph(ラルフ)は前述の通り、Children of the discordanceのモデルに起用されている。
YZERR
BADHOPのリーダー・YZERR(ワイザー)は「Friends」のMVでChildren of the discordanceのジャケットを着用している。
¥ellow Bucks
¥ellow Bucks(イエローバックス)は、「My Resort」のMVにてDUALISMのペイズリーシャツを着用している。
RED EYE
RED EYE(レッドアイ)が「THUG LIFE」のMVにて着用しているこちらの服は、全身GRMY(グライミー)のアイテム。
vividboooy
vividboooyが(sic)boyとKMとのコラボ曲「Heaven’s Drive」のMVにて履いているパンツはROGICのアイテム。
vividboooyもROGICのデザイナー・MAO氏と同じくOff-White Tokyoで働いていたため、仲が良いことで知られる。
いかがでしたでしょうか。今回は、2019年以降、トレンドの柄となっているペイズリーの起源から、ペイズリー柄のアイテムを着用しているラッパーまでご紹介しました。
MINARI.(ミナリ)は情報の質にこだわり、記事の執筆に時間をかけて丁寧に行っています。他の記事もぜひ合わせてお楽しみ下さい。